地上で位置情報を確認するとき、「衛星測位システム(GNSS)」から送信されてくる信号をつかっています。航空機の運航にはもちろんのこと、カーナビもスマートフォンも、このGNSS信号をキャッチして、自分がいる位置を確認しています。
世界にはいくつかの「衛星測位システム」があります。代表的なのが、1978年にアメリカ国防総省が開発した「Global Positioning System(全地球測位システム)」、いわゆる「GPS」です。「NAVSTAR(ナヴスター): Navigation Satellites with Time And Ranging」という衛星を、地球を包むような軌道上にたくさん配備したものです。その「NAVSTAR」衛星からの信号で、自分の位置を知るのが、GPS利用です。
準天頂衛星「みちびき」は、いわゆる「GPS」ではありません。「GPS(すなわちNAVSTAR)」の信号とも一体で利用できる、日本独自の「衛星測位システム(GNSS)」です。
「みちびき」による準天頂衛星システムは、現在(2023年12月)は4機体制です。静止軌道(本模型の台座に描かれています)を航行する3号機、そして傾斜した楕円の「準天頂軌道(本模型の台座に描かれています)」を航行する3機、すなわち初号機・後継機(1R)、2号機、4号機です。
初号機・後継機(1R)、2号機、4号機は、地上での位置情報を確認するための信号を送っています。「みちびき」による準天頂衛星システムは、複数の測位衛星が日本の上空の高々度をゆっくりと航行する、ちょっと特殊な軌道を採用しています。そのため、GPS(NAVSTAR)からの信号が不安定になりがちなビルの谷間でも、精度の高い位置情報が得られます。いわば日本の国土に特化した測位衛星システムです。GPSの信号とも互換性があるので、補完することでいっそう測位精度が高くなります。
静止軌道上にある3号機の特長は、地上とのメッセージの送受信用に使われる大小2つのアンテナを備えていることです。災害など緊急時において、衛星安否確認サービス「Q-ANPI」に使われるメッセージ通信用です。そのほか3号機には、航空機などに対して測位衛星の誤差補正情報や不具合情報を提供するSBAS信号のL1Sbアンテナも搭載されています。
準天頂衛星システムは、日本の内閣府のもとで「準天頂衛星システムサービス株式会社」が運用しています。くわしくは内閣府の公式サイトをごらんください。
では、木製模型キットの工作を、お楽しみください。
「準天頂衛星システムみちびき」の 木製模型キット」には、下記の組み立て図が添付されています。
以下は、画像による「組み立て」の説明です。
(画像は、手順をわかりやすくするためのものです。組み立ての順番が、上の添付の「組み立て図」とは多少ことなります。
実際の作業は、「組み立て図」と画像の説明を参照してください)
接着剤は、木工用ボンドを使用してください。完全に乾くまでに時間はかかりますが、透明になるので仕上がりがきれいになります。また複数のパーツを接着するときは、生がわきの状態になったところで形状を整えることができます。
なお作業をはじめる前に、添付「組み立て図」の「本製品」について、または本ホームページの「模型シリーズ」にある「木製模型キットについて」をお読みください。
下の説明にもあるように、組み立てる前に、まずは「号機」を決めてください。